エラー表示とジッタ検出回路の製作

 

(2001/7/11)
 SONY CD-Rドライブ CDU948S にエラー表示およびジッタ検出回路を追加しましたのでご紹介します。

(2001/10/8)
 対象ドライブとして、CDU561CDU76SCDU926S を追加しました。
  その他のドライブについてのコメントもあります。
  (詳しくは エラー表示回路の製作信号の引き出し の項を参照して下さい)


概要

 ジッタ等を測ってみたいがオシロなどの測定器がないので… という声を時々聞くことがありましたので、高価な測定器が無くてもエラーとジッタを測定できる回路を CD-Rドライブに追加してみました。

全てのエラー(8種類)はLEDで直接リアルタイムに見られますし、さらにサウンドカードへ接続すればジッタと共に波形観測やスペクトラム観測ができるようにしてあります。 (これと同じ測定 が可能です)
 サウンドカードをオシロスコープやスペアナとして利用します。
  もちろん高周波の信号は無理ですが、幸い?相手がCDですので、CD-DAなどの標準速なら
  サウンドカードのサンプリング周波数程度でも、多くの重要な波形データが観測可能です。
  なにより、Waveファイルに録音することで、長時間のデジタルストレージになります(^^;

対象ドライブは、本体や資料の入手、基板に信号名入りのチェックパターンがあって改造しやすい等の点から SONY CDU-948S にしました。
CDU-948S に使用されている信号処理(DSP)LSIは CXD3000R という型番で、以下からデータシートが入手できます。
ソニー半導体データシート(削除製品データ一覧)
 (※CDU948S以外でも、ここで入手可能なCXD2500以降の型番のDSPを使用している
   CD-ROM,、CD-Rドライブなら改造可能かもしれません。)

なお、製作量を減らすように回路などは工夫したつもりですが、それでもある程度の量があり、全くの初心者では少し大変かも知れませんが、ご興味を持たれたなら是非ともお作りになってみてください。
また、当然ですが数本の信号線を引出すだけとは言え CD-Rドライブの改造に関しては自己責任です。 宜しくお願い致します。

また、SC-88 Pro の改造 の場合でも時折いらっしゃるのですが、作ってくれませんか? というのだけはどうぞご勘弁のほどを(^^;;


外観

外観図1 外観図2

追加基板は 5inchベイを2段占有するようにドライブの蓋に取り付けてありますが、少しなら(30cm程度?)延長して別の適当な場所(どこ?(^^;)に取り付けてもよいでしょう。
基板は、左半分がエラー表示回路(デコーダー)、右半分がジッタ検出回路(アナログPLL)です。
エラー表示LEDは基板上に直接取り付けてありますが、LEDの配線のみフラットケーブル等で延長して 5inchベイ等に取り付けてもよいでしょう。

さらに、下のように直接フロントベゼルに取り付けてみるのも良いかも知れません(^^
 (但し、キャディの出入れの際に当らない位置にするなどの注意が必要です(^^;)

LED図1 LED図2

8個のLEDは、左から、
 C1 1 エラー訂正 (いわゆる E11)
 C1 2 エラー訂正 (E21)
 C1 訂正不能 (E31)
 C2 1 エラー訂正 (E12)
 C2 2 エラー訂正 (E22)
 C2 3 エラー訂正 (E32)
 C2 4 エラー訂正 (E42?)
 C2 訂正不能 (E52?)
となっており、レベルメータのようにエラーが多いほど右のLEDが点灯するようになっています。
最も右のLEDが点灯すると、「訂正不能でデータは補間された」 ということになります。

最右の訂正不能LEDの点灯には、通常の読み取り中ではまずお目に掛かれないでしょう(^^;
 ただし、メディア挿入時などのトラックサーチ中や、ストップ等の待機中など、
 トラッキングが外れる場合は訂正不能LEDが点灯します。(これで正常です)

一般的なアナライザの場合、訂正不能エラーは E32、すなわちC2で3個以上エラーがあった
 場合となっているようですが、CXD3000Rなど最近のDSPでは3個や4個までの訂正が普通のようです。
 よって、一般的なものに合わせるには、E32以上、つまり右3個のLEDのどれかが点灯した場合を
 訂正不能とすれば良いのではないかと思います。(最後、使い方の項参照)


これら8個のエラーの任意の組合せ(OR)の波形を、サウンドカードのR.chへ出力することが出来ます。
L.chは、ジッタ波形が出力されます。
波形例

ジッタ信号は検出用アナログPLLのVCOの制御電圧の変化を増幅したもので、検出特性はこのページでこれまで使用してきたジッタ検出回路の特性に出来るだけ近くなるように作りましたので、掲載データとのある程度の比較が可能です。

ただし、ここでジッタ信号としているものはPLLにより再生されたクロックのジッタで、いわゆるジッタメータで測定されるものとは違います。
 詳しくは ジッタの項での説明(追補) を参照して下さい。

また、 エラー、ジッタ共に、測定されるのは、あくまでも特定のドライブ(ここではCDU948S)
での結果であることに注意して下さい。

 これらはピックアップから読取られた後の信号で測定するほか無く、
当然ドライブによって信号の読取り性能自体が違うからです。
ピックアップ、各サーボや回路の性能によって結構違いますので、絶対的な評価は出来ないことになります。
(これは他のアナライザでも基本的には同じはずです。 一応標準ディスク等で校正などするのでしょうが…?)


製作

では作り方です。
定番?のユニバーサル基板で作ります。
(下は秋月のB基板 AE-2 95x72 で作ったサンプルです)

基板表 基板裏
 上下反転 裏側 (配線)

左右2つの回路は独立していますので、一度に作らずに別々に作ってもかまいません。

 エラー表示回路の製作
 ジッタ検出回路の製作



使い方、その他

エラー表示回路

LEDでエラーを観測するだけの場合はそれで終わりです(^^;

サウンドカード等でモニターしたり記録したりする場合は、モニターしたいエラーレベルのDIPスイッチをONにします。
それぞれ単独のエラーをモニターすることも、2つ以上を自由に組合わせて(OR)モニターすることも出来ます。

例えば代表的な BLER(ブロックエラーレート) の場合なら、訂正されるされないにかかわらずC1レベルで検出されたエラー ですから、DIPスイッチの 1、2、3 をONにすれば良いことになります。
ただし エラーレート となると、1秒当りのエラーの数(10秒間の平均) ですので、出力波形の中のエラーをカウントして計算する必要があります。
※WaveSpectraなどに この機能が無いといけないことになりますが……
 ということは?… いずれ作ることになるのか???(^^;

なお、回路自体は8倍速まで動作しますが、サウンドカード経由で記録する場合は、パルス幅の関係で48kHzサンプリングなら2倍速ぐらいまででないと正確に記録されない可能性があります。
(周波数カウンタで直接測定する場合は8倍速でも当然問題ありません)

また、繰り返しますがエラー観測は連続読出し中のみ有効です。
トラックサーチ中やストップ等の待機中などトラッキングが外れる場合や、トラックアットワンスでのトラック間は訂正不能LEDが点灯します。
(ということで、ディスクアットワンスで焼いたCD-DAを連続再生するのが最も安心です…?(^^;)


注意:
入力の位相が反転しているサウンドカードもあるようです。
例えば、Sound Blaster Live! Value では、下のようにエラーパルスが負側に振れています。
まあ特に問題はありませんが…(^^;
SB波形例

YAMAHA YMF系は大丈夫なようです。

※余談
 これとは直接の関係は有りませんが、この SB Live は、入力の過大入力へのマージンが非常に少ないようです。
すこし過大な信号を入れると、すでに入力バッファで歪んでしまうらしく、いくらミキサーのフェーダーを下げても歪んだままになります。
Line In は、約3.3Vp-p 以上の入力で歪みます。
これでは一般的なCDプレーヤー等の2Vrms(5.6Vp-p)の信号を直接接続したら歪むのは当然です。
このあたりが SB は音が悪い といわれる一因かもしれません。
(この Live! Value だけかも知れませんが?…)
ちなみに、フェーダーを最大にした時にフルスケール入力となる入力は 約1.7Vp-p でした。
この場合でも、フルスケール -1dB 程度までにしておかないと歪むのも有名ですが…
その点、YAMAHA系は、過大入力にはかなり強いようです。


あと、エラー波形は一方向だけのパルスですので、当然直流分を持っています。
通常、サウンドカードは交流結合なので、多くのエラーパルスが連続した場合は、波形のゼロの部分がその平均値分だけ下がる(逆相なら上がる)場合がありますが、もちろんそれで正常です。
普通はそれほどエラーは多くないので、まず目立たないと思いますが…


ジッタ検出回路

サウンドカードで観測する場合は、レベルオーバーの防止と出来れば基準を合わせたほうが比較の際に便利なので、まず入力レベルを合わせてください。

(1) WaveSpectra の動作条件を、ここでのこれまでの掲載グラフと合わせるために便利な WS.INI と、同じくこれまで基準としてきた プレスCDでのジッタのスペクトラム のオーバーレイデータ CD948.WSO (48ks/s用) および CD948_96.WSO (96ks/s用) を用意しておきましたのでご利用ください。
 WS_INI_O.LZH (35KB)

WS.EXE 自体のサイズは大きくないので、この WS.INI と共に、別のディレクトリにジッタ観測専用のものを用意しておくと便利です(^^;

(2) その専用WaveSpectraを起動したら、オーバーレイ1 のロードボタンを押して、CD948.WSO を読込んでください。
96kHzサンプリングが使用可能なカードの場合は、設定画面で サンプリング周波数を 96000 に変更して、一旦録音ボタンを押して 96kHz のモードに変えてから、同じように CD948_96.WSO を読込んでください。
※この時、上の WS.INI を用いた場合には、画面サイズが小さく設定されていて
 設定ボタンが隠れているので、Ctrl+T キーで設定画面を出してください。

(3) 次に、測定回路の出力をサウンドカードの Line In (L.ch) に接続した後、サウンドカードのミキサー画面を出して、録音側の入力設定を Line In にしておきます。

(4) 準備が出来たら、適当な音楽CD(必ずプレスCD)を用意して再生ソフトで再生し、WaveSpectra の録音ボタンを押します。
WaveSpectraの Average回数は、その機械での fps と同じくらいにしておくのがよいでしょう。

(5) 測定値(青線)が正常に出たら、先ほど読込んだ基準(赤線)と、ほぼ同じレベルになるように ミキサーの Line In のフェーダーを調節してください。
CDによっても多少違いますので、できれば何種類かのプレスCDで比較してみて下さい。
そして最もジッタが低いと思われるCDを、今後の基準CDとしてください。

以上でレベル合わせは終わりです。


ではいよいよCD-Rメディアをチェックしてみてください。

ただし初めには、もしよろしければ、私が最初に行ったのと同じ以下のことを試してみて頂けないでしょうか
まずジッタをチェックする前に、自分で良い音質だと思うメディアから 悪い音質だと思うメディアまで適当にランクでグループ分けしておいて下さい。
それから、実際にジッタ波形(スペクトラム)を比較し、ジッタの品質と 自分の音質評価との間 に相関が見られるかを確かめてみてください。
かなり興味深い実験になると思いますので是非お試しになってみてください。


さて、WaveSpectraでの観測ではリアルタイムの波形のレベル表示が無いため、ここの波形集のオシロでの掲載波形と違って、ジッタ波形のレベルが数値としては比較できません。
※WaveSpectraに この機能が無いといけないことになりますが……
 ということは?… またまた、いずれ作ることになるのか???(^^;


--------------


以上、結構適当なところもある物ですがお作りくだされば幸いです。

また、実際にお作りになられた場合には、是非ともご一報のほどを宜しくお願い致します。
ご質問等はメールでお願い致します。


Home