ジッタ検出回路の製作

 

回路図

ジッタ検出回路 回路図

 部品表
IC 74HC74 x1、74HC86 x1、※1 74HC4046 x1、LMC662 x1
抵抗 (1/4W) 1kΩ x1、3kΩ x1、4.7kΩ x1、6.2kΩ x1、10kΩ x1
20kΩ x3、51kΩ x1、100kΩ x1、470kΩ x1
半固定抵抗 5kΩ x1
キャパシタ ディスクセラミック 100pF x1、330pF x1、470pF x1
マイラー 1800pF (182) x1
積層セラミック 0.1μF x5
ケミコン 0.47μF/50V x2、10μF/16V x1、100μF/10V x1
(ケミコンの耐圧は 6V以上ならよい)
スイッチングダイオード 1S1588相当品 x2
コイル 100μH x1  (直流抵抗が10Ω以下、47〜220μH)
コネクタ 3pin x1セット
(および、エラー信号と共にオーディオ出力への接続用の 2pin)

※1
 汎用PLL 74HC4046 はメーカーによって特性が違いますので注意して下さい。
 テキサスインスツルメンツ(ハリス)の CD74HC4046A、フィリップスの 74HC4046A を使用して下さい。
 オンセミコンダクタの MC74HC4046、ナショナルセミコンダクタの MM74HC4046 は使用できません。


解説

要するにアナログPLL回路です。
メディア別 再生波形集 でジッタ波形の検出に用いているCDプレーヤでは、EFM信号の復調用クロックの再生のためのPLLはアナログPLLとなっていますが、CD-Rのドライブに用いられているCXD3000Rなどの信号処理LSIでは、これがディジタルPLLとなっています。
ディジタルPLLで再生されたクロックは、その原理上、常にシステムクロックの幅のジッタを持つために、今回のようなジッタ波形検出に用いることができません。
よって、別に専用アナログPLL回路を作りました。
ここでのVCOの制御電圧がジッタ信号となります。

なお、もったいないようですが 74HC4046 は、VCOだけとして使用します(^^;
EFM信号(CXD3000Rの端子ではASYO) は少し特殊であるため、PLL製作の際の定番 74HC4046 の内蔵位相比較器はそのまま使うことができません。 よって、位相比較器まで作ります。
(4046の位相比較器は周波数も位相も入力とVCOが全く同じになるようにされるので、
エッジが意味を持ち 3T〜11T まで飛び飛びであるEFM信号では使用できません)

タイミングチャート

入力のEFM信号をVCO出力のBCKの立下りエッジ、および立上がりエッジで2段ディレイさせた信号から、EXORにてループフィルタの正方向チャージ用Pos信号、および負方向チャージ用Neg信号を作ります。
VCOに対してEFMが進んでいる時(上図実線)は、Neg信号よりPos信号の幅が大きくなり、VCO制御電圧が上昇し、VCOが進みます。
逆にVCOに対してEFMが遅れている時(上図破線)は、Neg信号よりPos信号の幅が小さくなり、VCOが遅れます。
EFMとVCOの位相が一致している時は、VCO制御電圧は電源電圧の1/2となります。
 (PosもNegもアクティブでない期間はハイインピーダンスとなります)
参考文献: HD49235FS データシート(日立)

どのような特性のPLLを作るかは問題ですが、とりあえず メディア別 再生波形集 で用いているCDプレーヤのPLLの特性に合わせることとしました。
さらに詳しいことについては、ループフィルタの設計 をごらんください。

ジッタ出力信号の周波数特性や振幅についても、できるだけ同じようになるようにしました。
1段目の Op.Amp.(LMC622) の出力 (pin1) にオシロスコープを接続して観測すると、
 これまでの 再生波形集 とほぼ同じ振幅になるようにしてあります。

下図は、プレスCD再生時の 948S+追加回路 と これまでのCDプレーヤ(赤線) との比較です。
これまで メディア別 再生波形集 で基準CDとして使っていたのと全く同じプレスCDを用いています。
948Sの方が100Hz近辺のジッタが多いことを除いては、ほぼ同じような特性が得られていることがわかります。
プレスCDスペクトラム

参考:
下図は今回の追加回路の周波数特性です。 赤線は、これまでのCDプレーヤの特性です。
このように、今回の物は高域は大体同じですが低域の低下が少し押さえられています。
周波数特性

ちなみに、回路図の C5 (0.47μF) を 0.056μF(マイラー) ぐらいに変更すると、下図左のようにこれまでの
特性と同じになりますが、その時の プレスCDのジッタ特性(1つ上の図と同じ) は下図右のようになり、
低周波でかなり落ちます。
よって、今回のものはこれまでの物と比較しやすいように、上のように少し上昇させてあります。
(この、これまでと同じようになるように低周波を落とした特性の今回の回路を、これまでのCDプレーヤーのEFM信号に接続すると、当然ですが今までの検出回路とほとんど同じ特性が得られます。
つまり、下図右のような違いは、再生ドライブ自体の特性の差 ということです)
周波数特性(0.047μF) プレスCDスペクトラム(0.047μF)

なお、この検出回路は、標準速のみ動作 しますので注意して下さい。


基板パターン

実際にはユニバーサル基板に組立てますが、配線の確認も兼ねて基板を作りました。
 使用CADについては、エラー表示回路の製作 の方を参照して下さい。

シルク面
 シルク
 この基板データです。

 CDJITED3.LZH (14KB)
 EE Designer III に読込んで使えます。

 CDJITEPB.LZH (13KB)
 EDWin2000 に読込んで使えます。
部品面
 部品面 (配線)
ハンダ面
 ハンダ面 (電源、GND)


ユニバーサル基板に配線する時のため、裏から見たのと同じになるように、上下反転したパターンを示します。
各ピン間の接続も、実際の配線の際に分りやすいように表示を変更してあります。

部品面配線図
 上下反転 部品面 (配線用)
ハンダ面配線図
 上下反転 ハンダ面 (配線用)


配線

ユニバーサル基板に配線して組立てます。
配置や配線を考えるのが面倒だと言う場合は、以下の写真のとおりに組立ててください。
(実際に作って動作している基板ですので(^^;;)
まずは、穴位置を参考にして部品を仮止めします。

部品配置図
 表側
配置図上半分
 上半分
配置図下半分
 下半分

裏側は、先にスズメッキ線(抵抗等の部品の切り取ったリード線の流用でも可) とハンダブリッジで、上の基板パターンのハンダ面(配線用) を参考にして配線します。 (電源、GND)

電源配線図
 裏側 (上下反転)
電源配線図上半分
 上半分
電源配線図下半分
 下半分

次に、基板パターンの部品面(配線用) を参考にして適当な配線材で配線します。
配線材はラッピングワイヤ等の細い単線が扱いやすいでしょう。
電源2箇所は少し太めの線の方が良いでしょう。
1本配線する度に配線図の配線済みの線を消して行くと、配線間違い防止になります。

配線図
 裏側 (上下反転)
配線図上半分
 上半分
配線図下半分
 下半分

配線を終了したら、必ず配線忘れや間違いが無いかを充分に確認して下さい。
配線図と見比べながら、このピンは配線が1本、次のピンは2本、などと、
 全てのピンの配線本数を確認すると、容易に間違いが発見できるはずです。


信号の引き出し

CN1への各信号は、エラー表示回路の製作 の方を参照してください。


動作確認

配線間違いが無いか充分確認後、コネクタを接続し、ドライブの電源を入れてください。
(チェック時は、追加基板およびドライブ側基板がショートしないよう、絶縁に充分注意して下さい)

この時、追加基板のジッタ出力信号は、PCのサウンドカードの Line In に接続してWaveSpectra等で波形をモニターするか、ラジカセ、アクティブスピーカ等のAmpへ接続して音を聞けるようにしておいて下さい。
ただし、PLLがロックしない状態ではほぼフルスケールの大変大きなノイズが出力されるので、音量に注意しておいて下さい。
(WaveSpectraで波形モニターする場合は、Waveの縦軸倍率を x1 か x2 にしておいてください)

ドライブをPCに接続して認識させ、適当な音楽CD(CD-DA)を再生してください。
(標準速で読取るなら、データCDでもかまいませんが…)

CD-DAを再生させた状態で半固定抵抗 VR1 をどちらかの端から回していき、WaveSpectraでの観測波形がほぼフルスケールから急に振幅が小さくなる所、すなわちPLLがロックする所を探します。
スピーカ等で音を聞いている場合は、急に音量が下がる所を探します。
通常、VR1 のほぼ中央近辺でロックするはずです。

ロックした状態からさらにVRを回すと、再びロックが外れて最初のような大振幅のノイズに戻りますので、VR1 をその付近で左右に回してみてロックする範囲を求め、そのほぼ中央で VR1 のツマミを止めます。

ここまで正常なら、PLLの調整は終わりです。
他のCD-DAを再生して、ジッタの波形やスペクトラムの比較をしてみてください。


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